とある企業の刑事責任

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4月 242011

無断で確認も取らずに署名・捺印って、そりゃ有印私文書偽造だっつーの。

コンプライアンス以前の問題。しかも犯罪だし。

で、某社本社法務部担当者もしくはその顧問弁護士と直接対決……になりそうなんだけど、戦う以前にこちらの負け自体があり得ない、という、これ以上ないワンサイドゲーム。どう話を持ってくるか、楽しみだ。

証拠改竄の話

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9月 262010

単純な話、Writableな状態で記録メディアを弄ること自体がおかしいと思う

証拠収集時点でReadOnlyにして、状態を固めないと「どうとでもなりうる」と思うんだけどな。それを手続的にも実態的には担保しないと、司法に対する信頼なんて確保できないと思うわけで。というか、よくも今までこんなやり方で通用していたものだと不思議に思うわ。

以前会社で国税庁の調査(※特に変なことをしたわけではなく、毎年来るやつ)に協力したが、1GBのメールデータを10枚のFDで持ち帰ろうとしていたのには驚いた。役所はやっぱりITに弱いのか。

あとはは「私物PCで証拠FDの中を見た」あたりに、情報セキュリティ上の脆弱性というか、甘さが見える。証拠物件のデータを何らかの形で情報漏洩させたときのインパクトは計り知れない。

■証拠の記録メディアをWritableで触れる状態にする不用意さ
■セキュリティ状態を担保できない私物PCの使用を容認する危うさ

の双方とも大問題である。

「法科大学院+新司法試験制度」

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7月 112010

法科大学院+司法試験改革が上手く行っていない、とのこと。
個人的には驚いてはいない。予想通りの結果だからだ。

法科大学院スタート前の2003年3月に法学研究科(修士)を出た身として、ここに当時のことを書き残しておこうと思う。ちなみに法曹職を目指そうと思ったことはまるでなかったりする(←興味がなかった)。

冒頭、「予想通りの結果」と書いたが、これには以下の根拠がある。

1.法科大学院スタート前時点で、「全法科大学院定員合計」と「新司法試験の合格定員」を見比べ、新司法試験の合格率(7~8割と言われていた)が成立しないことが明らかだったこと。ある意味、規定路線どおりの破綻といえる。

2.人数が増える=仕事が増える、ということは単純に成立するはずはなく、特に新参者であろう新司法試験合格者は、法曹資格取得後に厳しい状況(有体に言えば仕事が回ってこない)に置かれることは容易に想像できたこと。

3.学費が高額(※)、かつ多忙な学事=経済面での負担が大きく、また「2.」の状況から仮に法曹資格が取れたとしても短期間での経済的自立は大変な労苦を伴うことが見えていたこと。

※一部では金持ちしか弁護士になれないと言われているが、これも予想通りの展開。

法曹界に多様な人材を、というコンセプトは素晴らしい。
だが、残念ながらそのとおりに行っているようには見えない。

で、当然ながら法科大学院を出ながらも「あぶれた」人材もいるわけで、この層の活用を、ということも問題になっている。事実、うちの会社でも2009年度新入社員で法科大学院出身者がいるとのことを聞いている(いずれも知的財産部門所属らしい……)。

「人材の活用を」という面では同意できるが、企業における人材施策としては疑問を呈さざるを得ない。

・知的財産部門は率直に言って文系出身者の出番はない。特許明細を書ける人間でないと基本的には務まらない。法律家に技術を仕込むよりも技術者に法律を仕込んだ方が遥かに早く、確実である。

・法学部や法科大学院を出ていなければ、企業の法務関係部門で耐えうる人材ではない、ということはない。スタフで一から仕込む、というのは手段の1つに過ぎない。また、その場合でも営業部門等で顧客対応等実務経験を積んだ方が有益である。

・「企業内に弁護士を抱える」のは選択肢の1つではある。が、「最初から企業で抱え込んでいる弁護士」と「外部で実務経験を積んだ弁護士を雇い入れる」はまるで意味合いが異なる。一から自社内で弁護士を仕込む、というのは、単純にコスト面から言って割に合うとは思えない。

・企業としても、法律専門職で社員を雇い入れるのはリスクが高い。「そこでしか使えない」ことになりかねないからである(本人も他部署への異動を納得するとは考えづらい)。

ストレートに言ってしまうと、法科大学院出身で法曹職に就けなかった者の受け皿は極めて少なく、状況は厳しい。ある意味、人生とカネを掛けた博打になっているのが現状ではないか、と。

個人的には修士課程(博士課程前期)で2年、研究をしていたが、最初から企業への就職を念頭に置いての進学だった(他にそんなことを考えていた輩は皆無だったが)。今でこそ情報システム部門に居るが、法律と完全に縁が切れたわけではない。開発を発注する、外部に作業を依頼する、ということから

■下請法
■労働者派遣法
■契約法一般

はかなり身近である。また、契約法務部門からも異動の打診(内々に、だが)を受けたことがあり、法律系出身ということが何気に今だ何かしらの影響がある。

結論を言ってしまえば、法曹職にならなくても、法律が関与する職種は企業内には少なくなく存在しているということ。特に、企業活動ならではの関わりは企業内に居て初めて生まれるものである。

法学部学生や法学部を目指す方に申し上げたい。刑事/民事など、法曹職でしかやれないことをしたい、ということであれば、法曹職を目指してほしい。もし、企業活動に関わる部分に興味がある、ということであれば、企業就職も悪い選択ではない、ということを知って欲しい。法曹職に就かなければ、法律に関わる仕事に全くタッチできないということはない、のである。

……という状況を反映してか、最近この手の新聞記事・Webニュース記事が多い気がする。

ふと気づいたこと

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7月 042009

「情報セキュリティの遵守」「法令順守」の類似性。

どちらも

・やってはいけないこと

・やってもよいこと

・遵守することで守ろうとすること
→法律の世界で言えば「保護法益」。

があって、遵守する必要と、違反したときの罰則・懲戒が定められている。

そうなんだよ、「できること=やっていいこと」とカンチガイしてんじゃねえよ、というあたりで余計にそう思うから頭に来てたんだ。なるほどなー。

というわけで部下・後輩として宛がって貰えるのであれば、スキルは高くなくて良いから規範意識の高い奴が欲しい。高スキル者でも規範意識の低い奴なんかイラネ。

システム管理者性善説を疑え

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6月 212009

ウチのシステム管理者(元SE)の話。

彼は俺と同格の管理者権限(=部内全体の管理者権限)を持っている。プライベートで「怪しげなこと」をしている噂はチラホラ聞いていたのだが、業務と無関係な領域の話である以上、干渉する余地もそのつもりもなかった。

が、事態は一変した。

部門ファイルサーバの空き領域を増やすため、全領域の全ファイルをリストアップ→ファイルサイズの大きいファイルを削除・圧縮等「狙い撃ち」する、ということをしているのだが、その過程でソイツの個人フォルダ内(※)に、

・違法複製されたと思われるゲームソフトのROMイメージ
・NintendoDSのマジコン絡みツールと思われるファイル群
・私物携帯端末用のゲームソフト

があることを発見したのである。

※個人フォルダではあるが、運用との関係で管理者権限でのアクセスはもちろん可能にしてある。

言うまでもないがこれは

・会社資産の不正使用
・各種の社内規定違反
・著作権法違反
→これは実際に「そのデータが違法複製されたこと」が確認される必要がある。

であり、要するに論外。上司に通告、対処を要請した。

当人に対する処分の詳細は把握していないが、後日確認したところ、問題のデータは削除されていた。

【教訓】
・ファイルサーバ内のデータは定期的にリストアップし、不適切に利用されていないかどうか確認すべし。
管理者権限は複数人に持たせ、管理権限保有者の利用状況を管理者相互で監視すべし。

管理者権限を持つ者は、一般ユーザーよりも自らを厳しく律してその権限行使を行うべき、ということは一般的な要請と言って差し支えないだろう。しかし、実際にその管理者がマトモな奴かどうかは別なのである。ここについての内部統制が甘かったのは事実であって、以降はこれを念頭に運用に当たる、ということになっている。つかこんなやつ、以降は信用しないけどな。

モラルのないエンジニアに存在意義など存在しないし、認める余地もない。
コンプライアンス云々以前の話である。

そして、この件を「他愛のないこと」で片付けようとした直属上司。俺はあんたを見限った。

いくら高度な技術を持っていても、これはないわ。

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